産科

2023/02/19 |

犬の妊娠・出産・帝王切開

犬の妊娠・出産・帝王切開について

*妊娠〜出産の流れ

妊娠には、自然交配と人工授精の2つの方法があり、

交配適期は排卵後60時間後以降の48時間です。

排卵日はプロゲステロンという黄体ホルモンを院内で測定します。

当院では、プロゲステロンを発情出血が起きて4〜5日くらいで測定することが多いです。

妊娠期間は平均排卵後64日です。

交配から14〜20日後、超音波で受胎を確認します。

1 cmの仔犬

出産予定日の数日前にレントゲンで頭数、仔犬の大きさ、母犬の骨盤の大きさを測定します。

 

*出産・帝王切開

犬は安産のイメージがありますが、犬種や大きさにより難産になることも多いです。

難産になった場合、母子共に命に関わるので治療が必要です。

*難産の判定基準としては

・強い陣痛が起こっているのに30分〜1時間以上経っても娩出しない。

・破水後1時間以上経っているのに陣痛が強くならない

・第一子の娩出前に緑色の液体が陰部から流出

・次の胎児の分娩まで2時間以上かかっている

などが成書に記載されていますが、実際は判断に苦慮することも多いです。

私としては、母犬が元気かを大事にしています。

治療としては

・子宮収縮剤による助産

・帝王切開

があります。

助産での分娩に見込みがないと診断した時は、助産せず直ちに帝王切開します。

*難産が起こりやすい犬種や、出産前のレントゲンで難産になりそうな犬種は計画的帝王切開(分娩前に帝王切開を行う)をします。

 

計画的帝王切開を行う日としては、

分娩兆候(食欲低下、巣作り行動、落ち着きがなくなる、呼吸促迫、排尿回数増加など)が見られ、体温が低下し、血中プロゲステロン濃度の低下が起きた時がベストだとされています。

当院では院内で迅速に血中プロゲステロン濃度が測定可能です。

早過ぎる帝王切開は子宮と胎盤が剥がれにくく大量出血を起こしたり、乳汁が出にくくなったりします。

帝王切開は30分程で終わり、麻酔から覚めた母犬は強く、元気なことが多いです。

 

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